「管理」で捉える総務業務 第8回
〜 総務業務に共通する考え方の検討 〜
今回から、具体的な総務業務について、「○○管理」というキーワードがどのように関連していくか見ていくことにする。
今回は、株主総会の運営に関する管理について整理してみる。
株主総会の実施に当っては、無事に終了させるということが最大の目的となる。確かに開かれた総会を目指し、
株主の発言や質問に最大限答えていくのが時流となっているが、それにより、決算数字の承認や決議事項の決議が
疎かになってはならない。
逆に、株主の発言や質問を不当に妨げたり、議事進行の手続きが不当である場合は、当該決議事項につき決議取り消しに
なる恐れもある。決議無効、決議不存在という場合もある。
株主総会の実施に当っては、商法違反や運営上の「リスク管理」が最も重要な管理項目となる。
株主総会に関する商法を徹底的に理解し、 また、総会決議取り消し決議に関する判例を十分検討し、商法違反のリスクに備える。
そして、そのリスクを抑える手段として、当日の運営に関するマニュアル作成という「規程管理」がある。
誘導、受付や警備担当の各担当者向けのマニュアルである。特に重要なのが、議長の後ろに控え、咄嗟の時の
対応を指示する事務局のマニュアルである。想定問答集の作成はもちろんだが、決議事項により想定される修正動議、
手続き的動議については、機械的に対応できるシートを用意しておく。また、シナリオから想定される株主の言動に対する議長の
発言カードも十分に用意しておく。
総会が終了したら、法的に必要な書類作成、「書類管理」として議事録の作成がある。
その他に、株主の出席状況や質問、発言などの総会を実施した結果のあらゆる記録を整理しておく。この「記録管理」も重要である。
なにも総会当日の結果だけではなく、勉強会や想定問答集作成の依頼文、管轄警察署への臨場依頼書など、あらゆる事前準備の
実施結果も整理しておく。これにより、先に記したマニュアルが年々、充実していくのである。
「資産・備品管理」については、当日運営に必要な器材についての管理である。自社物件で行う場合と会場を借りる場合、
或いは、自社の器材で行う場合と器材一式レンタルする場合で管理するものが異なってくる。ともかくも、必要な器材を正確に
用意することである。
次回は、取締役会運営について「管理」というキーワードでそのポイントを整理してみる。
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