企業お役立ちコラム

　総務部が行う業務には、必ず取り決めが必要となる。対社内であればそれは、社内規程や要領、内規といった決まりごとであり、 対社外であればそれは「契約」となる。例え少額物品の購入であっても立派な「売買契約」の関係となる。
　契約を締結する意味は、債権債務の関係を明確にし、双方に課せられた義務、やるべき事が成されない場合のペナルティについて、 あらかじめ双方で確認をしておくことである。
　「リスク管理」が、実際に生ずる、或いは生じた事態への対応であるのに対して、「契約管理」は、双方の役割、業務区分を明確に することにより、事前に想定されるリスクを排除していく行為である。広い意味でのリスク管理でもある。
　契約は法務。このように考えている総務担当者は多いに違いない。しかし、契約を含めた法務的素養は、 今後ますます必要となってくるはずである。

　前回記した「使用管理」や「記録管理」、そして今回の「契約管理」。それらの業務により発生する必要書類を管理する業務がこの 「文書管理」である。
　単に、キャビネット内に書類を入れておくことだけではない。ファイリングと称して、ファイル用具を統一して、キャビネットに住所を 付け、直ぐに取り出せる状態にするだけでもない。そもそも、各業務につき、どのような書類が必要とされているのか。或いはどのよう な書類により「使用管理」、「記録管理」そして「契約管理」が効率よくできるのか。このような根源的な検討をすることが「文書管理」 の目的である。書類を整理することが目的ではない。業務の効率化が目的なのである。さらに、一度作ってしまったフォーマットはなかな か見直されることはない。しかし、環境や状況が変われば業務自体が変わるのと同様に、その業務に必要とされる各書類、書式についても 同様に改訂されるべきである。

　次回は、「安全管理」と「規程管理」の目的と考え方について整理してみたいと思う。